何も無いところから作る楽しみ
粒状の銀を溶かして型に入れ固め、何度もたたいたり熱したりして地金を作っていく。その地金をさまざまな形に加工してアクセサリーを形作る。今でこそシルバー950銀板を併用しているが、三浦さんの作るアクセサリー「えす」の原点はオールハンドメイドという言葉にふさわしく何もないところから一つ一つ作り上げることから始まった。そしてそこに表現されるのは和をモチーフにした図柄だ。
「作るアクセサリーは和柄だけではないんですが、もともと和柄の洋服などは好きでした。デザインするときに雰囲気が出せるのが和柄だったんです」と言うように、「えす」の和柄デザインは曲線が多用された動きのあるものが多く、手作りならではのぬくもりが感じられる。
「えす」の大きな特徴はシルバーの板の間に蛇革や牛革などを挟むという独特のオーバーレイ技法を用いていることだ。「革が好きだったので、銀と革の質感を合わせられたらいいなと思って」始めたという。銀板のともすれば冷たくなりがちなイメージも、この革が覗くことで、独特な質感を感じさせている。
表面をざらざらした質感に加工する「メルト」と呼ばれるいぶしの技術は、細かいシルバーの削り粉を振りかけバーナーで半溶かしの状態にするのだが、その溶ける瞬間の見極めはまさに職人ワザである。そんな技法も仲間と「こんなのできるかな?」と遊びながらやっているうちに見つけたものだという。










