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  第6回の匠は小峰尚氏。昭和7年生まれの小峰氏は”生涯現役”の志の元に現在も精力的に仕事をこなすこの道一筋58年の籐家具職人の大ベテランである。職人世界の将来を見据え、時代に合わせた職人のあり方を追求している貴重なお話を伺うことができた。

世の中は『曖昧』だからおもしろい。

―伝統工芸という分野について、どのようにお考えですか?
「伝統工芸というものは機械ではなく手仕事でしょう。つまり物作りの原点だと言えます。手仕事っていうのはほとんどが大規模で作ってるわけじゃないでしょう。伝統工芸は戦後の焼け野原で何もないところから始まりました。私はその原点を知ってます。大事なことは、何もないところから物を作るってこと。生活の、暮らしの糧であって、昔は伝統工芸だって言って始めたわけじゃありませんよ。伝統工芸とはそういうものなんですよ。」



―小峰さんが着ていらっしゃるTシャツは墨田区の伝統工芸保存会で作ったものだそうですが、墨田区では伝統工芸に関してどのような活動をしているのですか?

「工房ショップっといって、ガイドマップを作ったりしています。昔は店の前を通ると職人が仕事してるっていうのが多かったんです。現代でもそれを積極的に見てもらおうってことで、散歩コースを作ったんでしょうね。伝統工芸を多くの人に知ってもらって、広めていこうっていうのがこの運動の目的だね。

区でも伝統工芸に関して力を入れているけど、今職人が一番困ってるのは、作った物が売れないってことなんですよ。デパートの催し場で工芸展とか色々あるけど、あれは、本来は職人がやることではないんです。時代が変わっていく中でもの凄く変わっちゃったのが職人が物売りをやってること。
作った物が売れないと生活できませんからね。昔は職人は純粋に数を稼いで、問屋さんがいて、言われた物を作って納めて売ってもらっていた。しかし現代では本来の普通のやり方じゃやっていけない。」


―現在デパートでの伝統工芸の展示会もさまざまな地域で開催されていますよね。
「デパートの伝統工芸の展示会など、色んな所でありますが始まった当初はあまり伝統工芸っていう言葉を使っていなかった気がしますね。



    



デパートっていう所は催し場であっても利害が一致していますから職人も作った物を売りたいしデパートも売り上げを上げたいわけです。流通も変わってきているし物作りをしている人も変わってきているよ。伝統工芸って昭和の初めから言ってたわけじゃなくて、私たちは昭和20年頃から仕事してますけど当り前のことをやっているという感覚ですね。伝統工芸だって思って始めた人は少ないはず。それから伝統工芸の職人と一口にいっても、今後色んな職人に会っていく中で、 職人なのか作家なのか見分けがつくと思いますよ。先生って呼ばれる人は、付加価値が高いもの、芸術品とかを作って 本を出してる人もいますよね。それは程度の問題なんだろうね。我々は作ってるものが身近で日常で使う物だから。楽しんで作るとか趣味で作るとか、物を作るときにどういうことを考えるかだね。」

 



―小峰さんはどこを境に職人だと思いますか?
「だからそれが難しいんだよ。 世の中ってはっきり分からないだろ。 こっからこっちが職人で、こっちが素人なんてできないでしょう。 世の中っていうのは曖昧なのがおもしろいんだよ(笑)」
機械化が浸透している現代で職人が作った”手作りの良さ”を再認識してもらうために、小峰氏は自らが公開しているブログにも力を入れているそうだ。
次回はこれからの職人にとって必要なことについていきます。

次回更新をお楽しみに!

小峰尚(おみねしょう)
東京都伝統工芸士
籐家具職人
昭和7年 東京都浅草生まれ
昭和28年 独立
昭和38年 小峰ラタン株式会社を設立し社長就任
その他賞歴多数

 小峰ラタン株式会社
住所 〒131-0045
東京都墨田区押上二丁目10番15号
お問い合せこちらまで 
URL 03-3623-0433
http://www.omine.com/
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