運命とも言える、レザークラフトとの出会い
小さいころから物を作ることが好きで、大学のとき、革に興味を持ったという木下氏。
「最初は革職人になるという考えは全くなく、その時は、たまたま一番初めに入社した会社がベルトメーカーだったという感じでした。」
その後税理士事務所に入り革職人としては一線を退いたが、頭の中は常に物づくりのことでいっぱいだったそう。その後自分の感性を生かした仕事をしたいということで税理士事務所を後にしたが、すぐにHANABUSA LEATHERを設立するというわけではなっかた。
そこから再び革職人の道にカムバック出来たのは、運命ともいえる周りの人々の協力だった。
「どちらかというと革職人という仕事に背を向けようとしていたのですが、自然と周りの方に応援していただいて、なぜか気づくと革職人という道に再び立っていたという感じです。何度も背を向けましたが、そのたびに不思議と、自分の意思とは反対に革職人の神様がこの道に自然と引き寄せているのがわかりました。」
なんと木下氏は丑年、おうし座(!)。確かにこれには運命を感じざる終えないのかもしれない。
「牛にはとても縁があります。
だから牛革を扱ってお客様に最高のパフォーマンスを提供する。
これが私の運命なのかと思っています。」
過去の経験が、現在の仕事に活きている
HANABUSA LEATHER設立以前は、ニュージーランドにラグビー留学をし、国内のベルトメーカーでリーバイスやパリコレクション、有名ロックバンドグループ
のベルト、ギターストラップ作りを経て、その後税理士事務所に勤めた。
「税理士事務所にいた頃は、空いた時間を利用して革細工をしていました。そして担当の社長さんたちの刺激を受けて、自分も何か自分の感性を生かした仕事をしたいと思い、自分の名前の一字「英」を取ってHANABUSA LEATHERを設立しました。
今考えればベルトメーカーで革の知識や物づくりの技術を学び、
税理士事務所では経営、経理、税金の知識を学び、またファイナンシャルプランナーの資格も取得できました。遠回りをしたようですが、その経験はすべて、今の仕事に活きています。」
そして一番の原動力はお客様からのサンクスメールだ。
「お客様とのメールや電話のやり取りでイメージを膨らませて、少しでも私の感性とお客様の感性を近づける作業をする。
そして商品が出来上がってお客さんからお礼のメールが来るともう言葉では表現できないものがあり、また革職人という生き方に人生を賭けて良かったと思う瞬間でもあります。」
さいごに、お仕事へのこだわりと今後の夢を伺った。
「革製品っていうと作り手のこだわりばかりがクローズアップされますが、作り手はあくまでも脚本家であって本来使い手が主人公なんです。
だからこそ作り手は主人公が光るように脚本家として最高のパフォーマンスをする。それに使い手が答えて革製品を愛し、使い続ける作り手と使い手の気持ちがその革製品に入ってこそ、
そこでやっと革製品が完成すると思うんです。そこに気をつけながら私はお客様が一生使っていただけるようなデザインとハンドメイドにこだわって物作りに取り組んでいます。
今後はHANABUSA LEATHERの革製品に合う服やジーンズを手がけていきたいですね。」
「革は生き物」と語る木下氏。革と真剣に向き合っているからこそ、素晴らしい作品が出来るのだと今回のインタビューを通じて知る事ができた。HANABUSAブランドでトータルコーディネートできる日も、そう遠くないのかもしれない。