甲冑を見ればその時代が分かる。
―加藤さんは甲冑研究保存会に入会していらっしゃるそうですが、そこではどのようなことをなさっているんですか?
「最近はあんまり行ってないんだけど、昔は日本に残ってる甲冑がどういうつくりになってるか、実物を見て調べることをしていました。最初の総会は愛媛県であって、そこに日本最古の鎧があるんですけど。国宝重文クラスの75%が愛媛にあるんです。」
―なぜ愛媛に集まったんですか?
「そこはねー、三島水軍っていうか村上水軍の海賊の本拠地だから自然とに集まって来たんでしょうね。日本最古のものは平安中期に作られました。最初は弓矢、次に刀それから槍が出て来て、その後鉄砲が出てくる。鉄砲が出てくると鎧は首から下はだいたいぜんぶ同じような形になる。そうすると誰だか区別がつきにくいから、兜の形を変えたんです。遠くから見た時あれは誰だって分かるように。それがとても凝っていて、とんでもない格好のものもあるんですよ。つばめのシッポの形とかね。」
―時代によって形も変わるということですが、時代劇などを観ると『ちょっとこれ違うんじゃないか』なんて思うことはあるのでしょうか?
「あるある(笑)時代と鎧が合って無いなんてこともありますよ。時代によって作られる鎧は違いますからね。」
―加藤さんご自身、歴史はお好きですか?
「好きですよ。テレビドラマだとか映画で時代物で、うまく馬にまたがったなぁって見てたら、逆側に降りちゃったり、そういうのが気になっちゃいます(笑)和鞍の場合は右足をかけて左足でまたがらなくちゃいけない。腰に刀があるから。西洋と日本では違うんですよ。
―甲冑の材料はどういった物なのですか?
「昔の物はほとんど革でできていて、牛の革の小札を犬や猫の革で綴じながらつなげて行く。犬、猫のような小動物は皮が薄いからそのまま使えるんですよ。」
―今は革では作らないのですか?
「革で作ったら大変ですよ。値が張っちゃって。革の代わりに紙を使います。それから靴にも使われてる「ボンテックス」っていう素材を使ってます。革のクズを粉末にして接着剤で固めたものです。昔は牛の革で作ってた部分に使っています。」
―甲冑作りは全部で何行程くらいあるのですか?
「靴屋さんでいう釘一本打ってくのが1行程だと・・・そうすると5万行程くらいあります。」